本堂に奉座されている日蓮聖人のご尊像の綿帽子をはずす季節がまいりました。日蓮宗では寒さの厳しい間、日蓮聖人のご尊像に綿帽子をおつけする習慣があります。なぜ、綿帽子をおつけするのでしょうか・・・
それは小松原法難という日蓮聖人が遇われた4つの大難に由来します。日蓮聖人は布教のさなか、小松原(現千葉県鴨川市)で東条景信の襲撃をうけました。お弟子2人が殉死。日蓮聖人も刀で額に傷をうけ、左手を骨折する重傷を負いました。
額の傷から流れる血を小川や井戸の水で洗いながら、洞穴に身を休めているときに通りかかった老婆のおいちが自分のかぶっていた真綿を日蓮聖人に差出し「傷口に風を当てて は痛みまする。どうぞこれで寒さをおしのぎ下さい。」と差上げました。これが、お祖師さまにおつ けする綿帽子の由来です
寒さが厳しくなる季節には、額の傷が痛むことから毎年、綿帽子を被られておられたと伝えられています。
おつけする時期は、小松原法難会(11月11日)から、釈尊降誕会(4月8日)や立教開宗会(四月二十八日)までおつけしております。
久しぶりに仏さまのお近くにあがりましたので写真におさめました。
一つの塔の横に仏さまが2人ですので、一塔両尊といいます。
真ん中がお題目(法華経)の宝塔。
左側がお釈迦さま。
右側が多宝如来。多宝如来様は、正しき教え(お経)を証明する仏さまです。
一塔両尊の横には、さらに二人ずつの菩薩様が並んでおります。(四大菩薩)
左側から安立行菩薩。
右側が浄行菩薩。
左側が上行菩薩。
右側が無辺行菩薩。
4人の菩薩様は、大地より出現され仏滅後に教えを説いてくださる方です。
一段下の右側には、獅子にの
られた文殊師梨菩薩。
法華経の特に重要なところに必ずおられる仏道の智慧を授けてくれる菩薩様。
左側には白象にのられた普賢菩薩。
正しきみ教えである法華経と法華経を信仰するものを守護してくださる菩薩様。
大聖人の綿帽子もとり、心機一転しっかりとご供養してまいります。合掌